14日朝日の夕刊トップに、こんな記事があった。30億円の税金を投じ、原発事故時を想定して開発されたロボットを、東電が採用しなかったため実用化されなかった。
福島原発事故で多くの米国製ロボットが投入された。日本のロボットはどこに行ったのか。3月16日付けのわがブログでも書いた。記事によるとロボットは仙台市科学館に展示されている。
東電が採用しなかった理由は何なのか。朝日によると、災害現場で活用する場面はほとんどない、という理由だった。
こういう種類のロボット話は朝日の好みのテーマである。だが、東電がなぜ採用を断ったのか、記事ではあいまいである。
価格が高いとはひとことも触れていない。災害現場では人間が作業することは十分可能だという理由らしいが、これもだれの発言かは書いていない。
ロボットに限らず、どのような工業品であろうと、現場で使えるかどうかは、その製品を採用する理由の最大のポイントである。コストの問題もあるが、高放射線の環境で人間の作業が可能だからロボットはいらないと東電がいったとしたら、人権無視もいいところだ。
逆に、そのロボットが使い物にならないお粗末な製品だったかもしれない。日本のロボットの多くが、メディア受けを狙った「こんなこともあんなこともできる見てくれのいい」ファッション型ロボットで、実用には向かない代物だったのかもしれない。税金を投入しても使い物にならないロボットを開発したのなら採用を断られても仕方がない。
新聞に載った写真を見ると、どうもロボットのバランスが悪く、災害現場で十分に機能を発揮できそうもない。この記事は東電バッシングではなく、ロボット開発者に対する警告として読むべきではないだろうか。
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