やはり米エネルギー省の汚染地図は政府も掌握していた。だが放置され、避難には生かされなかった。昨日知らぬは朝日ばかりなりと書いたが、原発関係者なら知っていた情報がなぜ生かされなかったのか、今日の朝日続報を読んでもさっぱり理解できなかった。
同じ部屋、緊急時対応センターにいながら、ホワイトボードに大きく張り出された汚染マップに、住民安全班が気がつかないなんて常識では考えられない。会見に出た記者は、官僚の分からないという答弁になぜ食い下がらないのか。第三者の調査に待つという答弁になぜ納得するのか。センターにいた官僚全員しらみつぶしにインタビューすればいい。
だれが見たのか。見なかったのか。政府のトップに進言する立場にいた人はだれか。その人は見たのか見なかったのか。重要だと進言できなかった理由は何か。そもそも重要な情報だと判断する立場にいた人物はだれで、どう判断したのか。
さらにおかしいのは文科省の役人答弁。当事者としての認識はなかった。文科省の役人は傍観者だったと自白したも同然。この発言をとがめもせず、見逃したジャーナリストはジャーナリストなのか。
このままでは官僚の日本の無責任体質は何も変わらない。
1年ほど前、NHKの特番で、こんな番組があった。長崎に原爆を投下したB29の飛行情報を当時の軍情報分析班がつかんでいた。だが握りつぶされた。戦闘機のパイロットだった老人がその情報があれば、体当たりしてでも撃墜したのに、と悔しがっていた。だが当時だれが情報を握りつぶしたのかは、いまだ分かっていない。
重要情報が分かっていたら、体を張ってでも住民を安全な場所に避難させることができたのに。そう悔やむ官僚が出てきてもおかしくないが、それでは遅すぎる。
公に奉仕する官僚はもうこの日本にいないのか。内部告発をする勇気ある官僚はいないのか。
コメントありがとう。昔は官僚にも少しは骨のある人がいたのですが、この文科省の役人はひどいですね。政府の路線に異論をいう若者を元気がいいと認めて採用する役所もあったのに。みなKYになって、責任を取ろうとしない。私ならこんな発言をするバカな官僚は実名で批判記事を書いちゃいます。官僚にはもう公僕であるという認識がなくなったんでしょうか。
投稿情報: jun | 2012年6 月23日 (土曜日) 14:39
原先生、お久しぶりです。
おそらく想定外読者であろう、斯波と申します。
先生には、講義やCLIP記事講座で教えていただきました。
今回の記事に関連して思うところがあったのでコメントさせていただきました。
昨日、採用試験の都合で文科省に立ち寄りました。
職員との懇談の場があり、何でも聞いてくれとのこと。
しかし、参加者から出てくる質問は、給料はどうなっている?休日はあるのか? やっと仕事の話がでたと思ったら、新しい学習指導要領がどうなっているか?など
茶番劇にも飽きてきたので、「文科省は風通しのよい省庁と聴いております。そこで質問ですが、SPEEDIの結果の公表遅れは適当だったと広報が仰っていますが、もっと早く公表できたのではないかと思う。そのために今後省として取組んでいく施策は何か」と問いました。
あからさまに嫌な顔をされて、怒鳴るよう口調で、ちゃんとやっていたし、情報の開示も適当だった、とだけ解答、そして会場は唖然とした空気。
冗談だろ、と思ったので、続けて複数人に同じように問いましたが、全員がよくわかっていないような対応でした。もう聞くのもアホらしくなりました。
帰り際に採用側から「君、せっかくイイ評価もらっているのに、ああいうこと質問しちゃダメだよ」と。
聞いていた通りに、風通しの悪い場所でした。
世の中のインチキに蹴りを入れてやろうといった青臭い正義感が、まだ自分にもあるのかと思いました。
投稿情報: 斯波 | 2012年6 月23日 (土曜日) 02:02