政治問題なかでも靖国参拝問題には関心がないが、今朝はNHKテレビを見ていて不愉快になった。臨時ニュースのテロップが流れ、安倍首相の靖国参拝を報じた後、定時番組を中断して、官邸を出る首相の車列を上空のカメラで追い、神社に到着すると、本殿に歩く姿を放映しようと、何も動きがない廊下をずっと映していた。参拝が終わると境内で記者会見。終わったのは、昼の天気予報ぴったり直前だった。まるでNHKのキューで動いているのか、と疑いたくなるほど、NHKのペースだった。
正午のニュースには政界のお歴々が待ってましたとばかり、参拝容認の意見がならんだ。前日から参拝予定が決まっていたのだろう。事前に政界の反応を収録していたのかもしれない。
安倍政権の狙い通りのテレビ中継だった。これだけ息の合った中継を見せ付けられると、NHKは完全に国営放送ならぬ国策放送に成り下がったというほかない。
安倍首相は神社境内の記者会見で、鎮霊社にも参拝したことを明らかにした。鎮霊社とは何だ。靖国神社のホームページで調べてみた。靖国神社に合祀されない国内、及び諸外国の人々を慰霊するために立てられた神社で昭和40年建立とあった。境内の隅っこにある小さな神社だった。戦争賛美神社と批判される靖国が申し訳に立てたようにも見える。安倍首相もアジア諸国の反発を予期して申し訳で参拝したのではないかと感じた。
案の定、中国、韓国からは厳しい批判の声明がでた。米国大使館も無用な摩擦を引き起こすという声明を出した。
それらの反応は事前に予想された。それでも首相は参拝した。中韓に配慮しても対日感情の好転は期待できないからだ、という解説もあった。だが相手国の感情を配慮しない安倍首相は、竹島に上陸したイ・ミョンバク前韓国大統領、尖閣の領海侵犯を繰り返す中国とどこが違うのだろうか。
相手が配慮しないならこちらも配慮しないのは、子どものケンカと同じだ。
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