都知事選で脱原発を訴える細川候補と宇都宮候補が苦戦している。
脱原発は票にならないと、このブログ(1月14日)でも書いたが、脱原発はなぜ票にならないか、を考えてほしい。
脱原発には私も賛成だが、それを実現するには今後数十年うまくいって20年くらいは厳しい生活を覚悟しなければならない。その覚悟が国民にはないからだ。
まずは電気料金の値上げだ。原発再稼動ができれば1兆円分の料金引き下げが可能だと東電はいう。これは再稼動できなければ値下げはできないというのと同じ意味だ。
再処理費用、汚染処理も大きな負担だ。脱原発を実現してもこの巨額の負担はたいして減らない。税金で負担するとなると国の借金はさらに増える。将来世代へのつけは増えるばかりだ。
再生エネルギーのコストを原発のコスト並みに引き下げなければならないが、簡単な話ではない。技術開発のブレークスルーが必要だ。その技術力が日本にあるか。
日本の周辺海域にはメタンハイドレードなどの海底資源が眠っている。それらを活用できればエネルギーの自立も不可能ではない。だがこれも巨額の開発コストと時間がいる。
福島第1原発周辺の帰還困難地域は放射能という外国軍に占領されたのと同じだ。それを奪還するのは沖縄返還より難しい。
結論からいうと、脱原発には相当長期間ガマンの時代を受け入れる覚悟がいる。有権者はうすうす気がついている。もうこれ以上ガマンできないのだ。
小泉元首相が細川候補を支援している。それでも人気が出ない。郵政民営化選挙で小泉さんは圧勝したが、郵政民営化で国民生活は一部地域で不便になると反対キャンペーンがあったが、大部分の国民にガマンする覚悟は必要なかった。
「ほしがりません、勝つまでは」などというキャンペーンは大嫌いだが、脱原発までの工程を分かりやすく国民に示さないとダメだ。
脱原発がガマンを必要としないことを選挙民に納得させない限り票にはならない。
あなたはあなたの子や孫、そのまた子や孫に莫大な借金と核廃棄物を残してもいいのか、それとも皆さんの時代で解決する覚悟があるのか。それを説くしかない。
現世利益にしか関心のない現代人にはその説法もやはり通じないだろう。
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