旬も過ぎようとしているが、北海道産のスルメイカで塩辛をつくってみた。最初はイカ1杯分の肝でつくった。ちょっと塩がききすぎた。ユズの代わりにレモンを使ったので、塩辛い洋風の味になった。
二度目は3杯分の肝でつくった。ユズもいれた。漬けて二日目の味は、料亭で出るしゃれた味に近くなった。漬けて三日目はかなり本物の味に近づいた。
今日は塩辛つくるから肝も入れて、と魚屋に頼んだら、イカ三杯しか買わなかったのに、六杯分の肝をおまけしてくれた。「塩辛にはたくさん肝がいるからね」。店のおばちゃんがいっていた。イカの刺し身は買っても肝まで買って帰る客がいないのだろう。気前よく袋に放り込んでくれた。
学生時代のある夏休み、根室だったか釧路だったか忘れたが、漁港でイカのどんぶり飯を食べた。水揚げしたばかりのイカを切って飯に盛り、醤油をかけただけだったが、柔らかくてうまかった。その後あの味を、東京で味わったことがない。10年ほど前、子どもの夏休みに伊豆の初島に行った。漁港近くの飯屋で生きたイカをそのまま刺し身にしてくれる店があった。生け簀の樽でぴーぴー鳴いているイカを刺し身にした。店主が「肝も食べますか」というので頼んだ。「肝はね、こういう風に切っても立ってなくちゃだめなんだよ」と店主。醤油で食べた。あのぷりぷりした新鮮な肝は東京では手に入りそうもない。
夏になるとあんなイカそんなイカを思い出す。3度目のイカの塩辛はどんな味がするだろうか。
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