みんなでシェアするニューファミリータイプの光サービスはいったいどれくらいの速度が出るのだろうか。100メガの光を32人でシェアすると、最低速度は3メガになるが、実効速度はどれくらいなのか、興味があった。
NTTの光が来て、さっそくPCにつないだ。設定が終わって、インターネットにつないでみた。どうもADSLと比べて速く動いているとは思えない。わが家のADSLはYAHOO BBの12メガ。それと比べて、速くなった感じがしない。
速度測定サイトで調べてみた。下りが7メガ、上りが8メガだった。ADSLも調べてみたら、下り6メガ、上り850キロ。ADSLの上りが遅いのは当然としても、下りはADSLと変わりないじゃないか。
あるADSLプロバイダーの社長がこういっていたのを思い出した。「ADSLは40メガ時代を迎えている。光なんて当分いらない」。この数字通りなら確かにその通りだ。
開通した日、NTTの社員が開通テストで、光の速度を測定した結果は75メガ出ている、といっていた。自宅とNTT局舎までの速度ではあるが、あまりにも実測値との落差が大きい。これはいったい何なんだ。他人と回線を共有しているからなのか。いや開通テストで75メガ出ているのだから、共有していることが原因とは考えられない。
MACをつないでみた。すると28メガが出る。私はてっきりWIN機のセキュリティーソフトが原因ではないか、と疑った。以前セキュリティーソフトを入れたら、突然PCの動きが遅くなったことがあったからだ。
メールを通じて知人からいろいろなアドバイスが来た。ルーターも速度に影響する場合がある。ファイアーウオールを一時的にはずしてみたらどう
か。自宅内のLANに遅い部品がつながっていないか。
アドバイスを参考に点検したら、原因がすぐに分かった。ルーターとPCの間に10メガが限度のHUBが入っていた。それを100メガのHUBに換えたら、36メガが出た。MACをつないだ時は、HUBを経由しないでつなかっていたから28メガが出たのだった。
後になってみれば、なんだそんなことか、という笑い話ではある。だが、光でこの程度なら、上り速度は別にして、40メガADSLとそう大差はない。
上りに高速を必要とするのは、当面テレビ会議くらいしかない。一般消費者宅で、光を必要とする場面は案外少ない。ADSLプロバイダーが上り速度向上をどう実現するかで競い合っているが、ADSLの上り速度が2ないし4メガ出たら、某ADSL会社の社長がいうように、光時代は当分来ないのかもしれない。
以前からだいたいの情報は分かっていても、光を入れてしまった。周りにも光を入れた人が結構いる。かつてマイカー時代が始まったころ、「隣の車が小さあく見えます」というテレビコマーシャルがあったが、速度や大きさに対する人間の欲求、つまり見栄は、車だろうが、インターネットだろうが、変わらないのかもしれない。自分の選択がただの見栄ではないことを証明してくれる利用方法が早く出てきてほしい。
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