winnyの作者が著作権法違反の幇助容疑で逮捕された。作者の自宅が家宅捜索された時から、予期されていたとはいえ、逮捕までするとは思っていなかった。容疑者が逃亡したり、証拠隠滅をはかったり、する場合は逮捕する必要があるかもしれないが、今回その恐れはないのだから、在宅のまま立件してもよかったのではないか。逮捕しなくてもいいのに、逮捕する警察のやり方は、容疑者を社会の見せしめにし、それで予防効果をあげようという狙いがある。
今回の著作権法違反幇助事件は犯罪になるのかどうかそもそも怪しい。石田晴久さんがいっていたが、包丁が殺人に使われたら、包丁を作った人も殺人の幇助に問われるようなもので、犯罪として成立するかどうか、議論の分かれるところだ。winnyによる音楽ファイルの交換が違法なら、PCメーカーも幇助であげなければならない。コピー機で偽札が製造され使用されたら、コピー機メーカーも幇助になる。書店で新刊本をカメラ付きケータイで撮影したらケータイメーカーも著作権法違反の幇助になるはずである。
その意味でwinny作者だけを事件として立件するのは相当無理があるから、見せしめに逮捕し、さらし者にすることで予防効果をあげようというのではないだろうか。司法機関である警察がそこまでねらっているとすれば、越権行為、やりすぎである。
そもそもwinnyは本当に違法コピーマシンなのだろうか。だれにも分からず、仲間だけでファイル交換できる機能はこれからのネットワーク時代、ビジネスでも行政でも、どこでも必要になるツールである。セールスマンが本社営業部や経理、あるいは工場と同じファイルを共有し、営業効率をあげることにも利用できる。P2Pともいわれるこの技術はいま急速にビジネスとして立ち上がりつつある。
映画や音楽業界の既得権を守るためにだけ、警察が犯罪をでっちあげたのだとすれば、IT国家日本の将来は暗い。
業界の既得権を守るためにやったのなら、まだいいのですが、自分たちに恥をかかせたのが気に入らないから嫌がらせでやったのではないかと思います。
著作権法違反がどうこうよりも、法的に定義が確立していなくて、なおかつ被疑者逃亡の恐れがないのに、いじめるためだけに逮捕するというような違法行為が行われたことを憂慮すべきだと思います。仮に47氏が確信的に著作権違反を狙っていたとしても、現行法では罪に問うのは難しく、むしろ対策法を成立させてからにするべき問題だと思います。
IT関係に限らず、警察が気に入らないと思えば誰でも捕まえられるということの恐怖を多くの人に早く気づいてもらいたい。別件逮捕も平気でするし、代用監獄問題とあわせて、留置している間に殺してしまって自殺と発表くらいよくあることです。
投稿情報: kid | 2004年5 月12日 (水曜日) 08:07
まさに、おっしゃるとおりだと思います。
技術の発展を確保していくためには、自由な環境が必要になります。
こういうblogがいろんなところで広まっていくといいですね。
投稿情報: yossy | 2004年5 月11日 (火曜日) 19:02