NTTから58円振り込め、という請求書がきた。58円請求するのに、郵便料金が80円はかかっているはずだ。私が58円を振り込んでも、差し引き22円の損になる。損になることが分かっていても、58円を請求することがビジネスとして成り立つのかどうか。答えは明白だ。
なぜ58円の請求書が来たのか、その経緯を知ったらなおさら、おかしいと思われるはずだ。民営化されて20年近くたつというのに、NTTはまだまだお役所仕事から抜け切れていない証拠になるので、一部始終を記録として残しておくことにした。
このBLOGで連載した「光が来た」の中で書いたように、今年1月、わが家に光ファイバー、いわゆるBフレッツが入った。3ヶ月の無料お試し期間が終わり、4月から課金が始まった。4月分の料金請求が来ていたらしいのだが、自動引き落としになっている従来の電話料金請求書と同じ形式の封書に入っていたから、Bフレッツのために新たに振り込みが必要だなどとは考えもしなかった。督促状が来て初めてBフレッツの料金は自動引き落としになっていないこと
を知った。以前ADSLが入った時は、工事費を含めていつの間にか口座引き落としになっていたから、Bフレッツも自動引き落としになっているものと思っていた。回線を切られる前日になって、コンビニでその代金を支払った。その時、NTTとの話し合いでわが家の電話料金と同じ自動引き落としにしてくれるように依頼した。それはそれで一件落着した。
それから1ヶ月後にくだんの58円請求書が来た。つまり督促状を出してから振り込みを確認するまでの延滞利息が58円ということになる。果たしてこの58円を支払うべきか、どうか。もちろんNTTにとっては正式な債権だから支払う義務が私にはある、とは思うが、今回はほっておこうと思う。ほっておけば次回は58円分の延滞利息、1円か2円かを支払え、という請求書がやはり80円かけて郵送されてくるに違いない。これは試してみる価値がある。
普通のビジネスなら、債権を回収するのに、債権以上のコストがかかることがはっきりしていたら、いわゆる損切りをする。巨額の債権であっても損が出るなら、債権回収業者に債権を譲渡したりして最低限の回収をする。債権が闇の世界に渡ると大変なことになるが。
律儀に損をしてまで少額債権を自分で回収しようとするNTTの姿勢にはある種の感動さえ覚えるが、これがビジネスか、と逆に心配になってくる。自動引き落としの手続きをしている利用者に、損をしてまで請求するNTTの経営のあり方は、だれが見てもおかしい。
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