6月1日付けのサンノゼマーキュリーに「BLOGのゴスペル」という東京発AP電が掲載されています。
ストーリーはBLOGの伝道者伊藤穣一さんの話ですが、日本でもBLOGが急速に普及し始めたことが紹介されています。その記事の中で私の発言が引用されています。「BLOGが普及すれば日本も変わるだろう」というのが発言の趣旨ですが、APの記者に取材を受けた時、私が強調したのは、日本では組織の中にいる人がBLOGを書くことの難しさでした。
BLOGの有用性や革新性もさることながら、BLOG経由で企業内の秘密が外部に漏れる恐れもあり、不用意なエントリーは企業側から処分の対象になりかねないので、細心の注意を払って書く必要があることを訴えたのですが、記事の趣旨とは合わないためか、BLOGに期待するという部分だけが引用されました。
記事全体の趣旨に異論があるわけではありませんが、日本でほんとうにBLOGが効果を発揮するには、組織内の人がどれだけ自由に発言できるか、その発言に不当な圧力がかからないようにするにはどうすればいいのか、BLOGを書く人の責任、倫理観はどうあるべきなのか、など今から考えておかねばならない、と思います。IDGのマクガバン会長は私の質問に、社員のBLOGは会社にリンクさえ張ってくれれば自由、といっていましたが、日本ではまだそこまで理解が深まってはいません。
私はBLOGが日本社会の重奏低音となってじわじわと社会を変革していくことを期待しているのですが、まだまだ時間がかかりそうです。
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