NTTはICカードを利用した公衆電話を順次撤去する。代わりに昔のテレホンカードの公衆電話を復活させる。テレカ偽造防止の切り札として6年前に登場したICカード公衆はあっけなく姿を消すことになった。
6年前といえば、携帯電話が爆発的に普及し始めた時期。公衆電話よさようなら、携帯よこんちは、時代に突入していた。そのタイミングでICカード公衆を始めたのがいけなかった。ICカード公衆はNTT東西で6万台まで増やしたが、利用者は増えず、赤字ばかりが累積した。公衆電話事業は毎年東西で200億円という莫大な赤字を出し続けた。 磁気カードのテレカは偽造しやすく、一時期その損害は莫大な金額にのぼった。だれが見てもICカードへの早期移行が当たり前に思われたが、ICカードの製造コストが高い、ICカードが使える公衆電話がコスト高になるなどの理由で導入は遅れた。その結果が、これだ。
もう10年以上前になるが、パチンコ店で利用された磁気カードが偽造され、商社やNTTなどが巨額の損害をこうむった。この時も対応が遅れ、巨額の資金が闇の世界に流れた。
ICカードは実は20年以上前に開発された。にもかかわらず日本では磁気カードがいまだに幅を利かせている。最近、ゴルフ場で大量にキャッシュカードの情報が読み取られ、偽造されて大きな被害がでた、というニュースがあった。なぜまだ偽造されやすい磁気カードが幅を利かせているのか、私には分からない。公衆電話用ICカードはフランス、英国では広く普及している。早く導入すればそれだけ早く定着していたはずだ。ICカードから前近代的磁気カードに戻す話など聞いたことがない。
普通の技術的常識でどちらが安全性が高いかはだれでも分かる。それでもIC化が進まないのは、コストの問題とか、読み取り端末の問題とか複雑な事情がある。しかし、偽造の損害を計算にいれてコストを計算すれば、決して高くはついていないはずである。
高速道路チケットでもクレジットカードでもましてお札でも偽造されやすいものを流通させる経営者や役人はみな闇の世界の協力者である。
久しぶりに原さんらしい、スカッとした記事ですね。
最後の偽造団の協力者うんぬんと言うところは
圧巻でしたね。
投稿情報: 伴大作 | 2005年1 月21日 (金曜日) 11:06