デジタル家電は日本の有力な次世代輸出商品になると期待されている。デジタルカメラやカーナビなどIT技術をふんだんに取り入れたネットワーク時代の家電製品は、日本がいま世界の最先端を走っている。
これらの製品には一昔前のPC並みの高度なソフトが組み込まれている。そのソフトの品質によって、製品の価値が大きく左右される。IBMは31日、この分野に進出することを表明した。世界に先駆けまず日本でこのビジネスを立ち上げる。
日本メーカーはいままで製造技術の高さで国際競争力を保ってきたが、組み込みソフトが競争力を左右する時代になって、全力でこの分野への進出に取り組んでいる。ソフト開発力では抜群のIBMが進出するとどうなるのか。IBMは日本メーカーと協力して開発製造に協力する姿勢を見せ、winwinの関係になるとしているが、開発から製造まで一貫した日本メーカーの中抜きというかソフト部門の空洞化が始まるのではないかと、心配である。
PC部門を中国のレノボに売却した後、IBMは何で食べていくのか注目していたが、やはり今後著しい成長が期待されるデジタル家電がねらい目だった。日本メーカーの製造技術とIBMのソフト開発力が組めば、国際競争力抜群のデジタル家電製品ができるのは間違いない。
しかし、その時日本家電メーカーの心臓部はIBMに握られ、国内ソフト産業は壊滅する。やはり日本にはソフト産業が育たない運命にあるのかもしれない。
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