連休中はテレビニュースをよく見た。長野県で落石が車を直撃、運転していた人が亡くなる痛ましい事故があった。テレビでその映像を見たが、解せないところがある。
NHKを含め複数のテレビ局が運転席に大きな石が乗っている映像を映していた。運転手が直撃を受けて死んでいるのだから、当然、石は運転席から動かされるか、取り除かれて遺体が収容されているはず。取り除かれた石が運転席に残っているのは、どう考えても不自然だ。だれかが再び石を運転席に戻したとしか考えられない。(その翌日か翌々日、また落石事故があった。この事故はケガですんだが、テレビは道路にころがった大きな石を映していた。こっちの方が自然な映像である)。
こんなに大きな石だったんですよ、と警察がニュース映像のために元に戻したのかもしれない。あるいはテレビ局のスタッフが座席に戻したのかもしれない。視聴者によく分かるように親切心でやったのだとすれば、これもやらせの映像ということになる。
この作られた映像によって迷惑を受ける人は多分いない。しかし、何の断りもなく、不自然な映像、やらせの映像を流すのは、視聴者を馬鹿にしている。テレビにいまだやらせ体質が残っているとしか考えられない。
もうひとつ解せないニュース。JR脱線事故の後、ゴルフやボーリングに行ったり、懇親会に出ていたJR社員がいた事実が連日報道された。遺族や被害者のことを思いやるといただけない行動だったとは思う。だが、あまりの居丈高な報道は、昭和天皇が下血した時の自粛報道を思い出した。
それにしても、プライベートな行事も含まれていたにせよ、JR社内にはなぜこんなに多くのイベントや懇親会が催されるのか不思議でならない。しかも平日にである。ローテーションで勤務につく人が多いから、平日にこんなイベントが開催可能なのだろうか。それともイベント好き、懇親会好きの人がJRには特に多いのだろうか。テレビでその解説はついぞなかった。
事故の現場検証のために人命救助後に元に戻したとは考えられないでしょうか。
投稿情報: | 2005年5 月12日 (木曜日) 08:26
講義受講しているSFC生です。
私もNHKで落石事故のニュースを観ました。
TV局もですが実際日本の視聴者レベルは低いんじゃないかと思います。『テレビの嘘を見破る』(今野勉著/新潮新書)でも同様のテレビ局の工夫とやらせの境界線について論じていました。
テレビに限らず、日本は製作側も受信側も意識して情報を扱うことが苦手なんだろうと。そういった意識改革の意味もこめて、私は先生の講義を受講していきたいと考えてます。
投稿情報: harikae | 2005年5 月11日 (水曜日) 09:09