連休中はJR西の脱線事故に関するニュースばかりだった。あっちでもこっちでもオーバーランなどのミス、ミス、ミス。たるみ切ったJRの体質をバッシングするニュースの連続である。
脱線事故以後、急にミスが増えたのだろうか。そんなはずはない。メディアがJRのあら探しを始めたからに他ならない。オーバーランならJRのみならず東京の地下鉄でもしょっちゅう経験している。
ひとつの重大事故の裏には29件の軽い事故と300件のひやりとしたりハッとしたりするミスが隠されている。これをハインリッヒの法則というのだそうだ。だとすれば、あちこちでJRのミスがメディアに発見され、報道されるのは当然である。事故があったから急に増えたわけではない。これだけのひやりはっとがあれば、重大事故は起こるべくして起こったというしかない。
去年4月の六本木ヒルズ回転ドア事故で、子どもを取り巻くひやりはっと情報を集め、公開すべし、という記事を書いた。ハインリッヒの法則に従えば、300件のひやりはっとがあれば1件の重大事故が起きることになる。だからひやりはっとの情報を集め、分析し、対策を立てておかねばならない。ましてひやりはっと情報を隠すことがあれば、安全対策の立てようがない。人命を預かるJRがこの法則を知らなかったとは考えにくいが、ひやりはっと情報をどのように収集、分析していたかの報道はない。子どもを取り巻く環境のひやりはっと情報収集が始まったという報道もない。一部の病院で医療事故のひやりはっと情報収集は始まったが、情報音痴日本の体質は度し難いのかもしれない。
現場経験の無いような気がする、上司の責任
投稿情報: 天野博右 | 2005年5 月 8日 (日曜日) 05:58