日経新聞が23日朝刊でNTTグループ再々編を報じた。NTTコミュニケーションズから長距離部門を切り離し、固定電話をNTT東西に集約、グループ各社に分散している ソリューション部門もNTTデータに集約、同じように各社に分散しているISPも統合する構想を検討しているというのだ。
NTTはそのような事実はない、とのコメントを発表したが、NTTグループがこのままで存続できるか、という観点に立てば、これらの構想を検討していてもおかしくない。
NTTは昨年、2010年光加入者3000万回線を目標にした中期経営計画を発表した。この目標をいかに実現するかのロードマップを策定中だ。最近では各社ばらばらだった無線LAN基地局を統合することも発表した。電話のネットワークからIPネットワークへのスムーズな移行は最大の経営課題である。大きな流れを見れば、日経の記事は嘘っぱちとは言い切れない。
21世紀のネットワークはいかにあるべきかを考える時、現在のグループのあり方は当然再検討されるべき問題だ。しかし、まだ結論を得るに至っていない。だから、NTTは、事実はないというコメントを発表したのだろう。
この種の記事は飛ばし記事といわれる。大きな方向が正しければ、決まっていなくても書いてしまう。そういう性癖が新聞にはある。新聞が報じると、あたかも決定したかのように読まれるから、飛ばし記事が出ると書かれた方は困る。飛ばしが出るたびに、そうした事実はない、というコメントが出る。
さまざまな検討はしていても結論は出ていない、とか、現在抱えている問題はこうで、どのように解決したいのか、などというコメントがなぜできないのか、いつも不思議に感じている。
NTTのあり方は大きな問題である。日ごろから情報を開示し、国民や利用者、社員の理解を得ておくことは、再々編計画を実現する上でも重要なはずなのだが。
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