シンガンスが拉致事件の実行犯、という証言がメディアに出ている。1年も2年も前に帰国した拉致被害者の証言が、なぜ今ごろ出てきたのだろうか。朝日新聞によると、横田さん夫妻は曽我さんが帰国した直後の04年11月に証言を得ている。横田さん夫妻はシン容疑者が韓国から恩赦され北へ送還された2000年に、送還しないよう韓国大使館に要請している。なぜ今までこういう重要情報を隠していたのだろうか。
まだ帰国できていない被害者の安全を配慮して沈黙していたのかもしれない。だとすると現在は、北に残された被害者の安全は確保されたのだろうか。
警察庁は警視庁と関係する各県警との共同捜査を命じたというニュースもあった。なぜ今ごろ警察庁は県警の連携を指示したのだろうか。事件の経緯からして拉致被害者が帰国した直後に警察は事情聴取しているはずである。それらの情報を総合して事件の全体像を解明するのが捜査の常道だろう。もし、聴取していないとすれば、もし、関連情報を総合勘案していないとすれば、職務怠慢以外何者でもない。連携捜査の指示は遅すぎるのではないか。
外交交渉と絡んだ問題だから、外務省が公表を控えるよう、連携捜査を控えるよう要請したのだろうか。外務省が警察にそんな圧力がかけられるとも思えない。
拉致被害者たちは、この証言が北朝鮮への圧力になると評価している。利用できるものは何でも圧力にしたい気持ちは分かる。しかし、彼らは北への経済制裁を求めていたはずである。この証言が経済制裁以上の圧力になるのだろうか。
今回に限らず、被害者の証言はぽつぽつとしか出てこない。拉致事件への国民の関心をつなぎ留めるため、だれかがぽつぽつ証言を演出しているのだろうか。メディアは何も書いていない。拉致事件報道はいつも疑問ばかりが湧く。
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