IP網に電話を乗せる、つまりインターネットで電話を利用するのがvoice over IP。IPoverデジタル放送はインターネットをデジタル放送のインフラに乗せること。慶應大学とKDDI、エフエム東京がこのIPoverデジタル放送を可能にする技術を開発した。FMデジタル放送でインターネット上のコンテンツがそのまま放送できるようになる。地上の固定網、移動網、そして放送網すべてでインターネットが利用可能になる意義は大きい。
インターネットは1対多の双方向通信ができるといっても放送のような一斉同報機能は難しかった。IPoverデジタル放送では、受信する端末にこのデジタル放送受信機能があれば災害情報などを一斉に流せるようになる。
FM東京がデモして見せたものは、視聴者参加型番組。地上波デジタルではリモコンボタンを選択することでしか参加できないが、これはメールやブログなど手元のインターネットツールを利用して参加できる。
インターネット方式のデータをデジタル放送方式にいったん変換して放送し、受信側で元に戻す方式なので、受信したコンテンツをLAN経由などで他の端末に転送することも容易になる。
放送業界がデジタル化に当たって最初からIP方式を採用していれば、技術開発するまでもなかったのだが、IPoverデジタル放送はインターネットとの融合をかたくなに拒んできた放送業界のあり方に風穴をあけることになるだろう。
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