ふるさと納税制度を導入する動きがある。首相も公明党も乗り気らしい。石原都知事だけが反対している。
都会と地方の税収格差是正という目的は聞こえがいい。しかし、なぜ東京の住民税を地方に再配分しなければならないのか。地方出身の都民には賛成が多いかもしれないが、東京生まれ東京育ちの都民にはうなずけない。
どちらの都民も同じように東京のインフラ、公共サービスを利用しているはずだ。無条件に都の税収を持って行かれたら都民の暮らしはどうなるのか。
成長するまで地方で世話になっているのに、成人したら東京に出てしまうから、地方の税収が減る。だからふるさと納税は理にかなっていると地方はいう。
都民から見ると、地方には豊かな自然があり、空気もきれい。通勤地獄も渋滞もなく、人間らしい生活がある。若い人も地方に職場さえあれば好きこのんで東京に出てこなくてもいいはずだ。
つまり企業立地が都会にかたより、地方に職場がないこと、税収が地方に落ちないことが問題の本質であって、現在の税収格差が問題の本質ではないはずである。
東京に進出しないと企業として存続できないという声がある。大阪本社を東京に移した企業も多く、関西の地盤沈下をもたらしたといわれる。しかし、東京に出ないで世界のトップ企業になったトヨタの例もある。東京一極集中は企業の論理でもなければ経済の必然でもない。地方分権といいながら、地方が自立する努力もせず、政治家頼りのばらまき行政に手を貸してきた結果が地方の疲弊をもたらしたのではないか。
大量退職時代を迎えて、退職者が地方に移住する気配がある。住みやすい場所があれば私も移住したい。魅力ある地方をつくれば、人々は移住し、その結果税収もあがる。その努力もしないで東京から税収を分けてもらおうなんて、泥棒の発想である。ここは石原さんにがんばってもらうしかない。
なんでこんな制度が有益な論議になるのかが不思議です。都市部としては自分のところに入るべき税金が減ってしまうのではたまらない。地方ではより多くの税収が上がってくれたほうが良い。気持ちはよく判るのですが、極めて雑な発想ではないでしょうか。自治体の収入はそのほとんどが税金です。国税からの交付金と地方税。それに依存しているはずです。その税収にある程度の予測がついているから、予算とか実績とかが在り得るのではないでしょうか。「ふるさと納税」はあくまでも納税者の自由意志に基づくものであるはずです。「来年からはヤーメタ」と考える人が大量に発生したらその自治体の税収は大幅にダウンしてしまいます。「ふるさと納税」を見込んで作成した予算はどうなってしまうのでしょうか。そんなものを求める自治体の首長の方々の安易さが信じられません。
投稿情報: タックス・ペイヤー | 2007年7 月 7日 (土曜日) 11:37