国民健康保険、介護保険の保険料納入のお知らせがきた。保険料を見てぎょっとした。去年の保険料の約2倍になっている。健保料の増額を増税とはいわないかもしれないけれど、国民皆保険だし支払い義務があるのだから増税と同じである。
保険料はどう計算されるかを読むと、年間住民税に対する所得割額と均等割額の合計とある。要するに住民税にある比率をかけたものである。住民税が高くなれば自動的に保険料が高くなる仕組みである。
住民税大増税の話を6月13日のこの欄に書いたが、増税分に保険料がかかるので、国民から見れば、二重課税もいいところだ。
健康保険は最高料率が53万円である。所得の多い人でも最高額は53万円ですむ。高額所得層の保険料は前年と変わらないはずである。明らかに高額所得者優遇である。
お知らせに課税所得700万円以下の低所得層には激変緩和措置があるとある。しかし軽減料率の説明がない。区役所に聞いてみた。激変緩和措置とは何か。回答は、本来の課税所得額から5万円を控除していること、保険料率が去年の1.82%から1.24%に低くなった、ということだった。緩和措置があってもわが保険料は前年の2倍である。最高限度額一歩手前の保険料だから頭打ちの適用もない。
税金に保険料という税金をかけるとはどういうことか、と尋ねたが、区役所の担当者も困惑して、「住民税額から保険料を計算するのは確かにおかしいです。所得金額から計算する方向で検討が進んでいると聞いてますので」と答えた。区役所の窓口をいじめても仕方ないが、そんな見直しが進んでいるなんて聞いたことがない。
地方への財源移譲だとか、地方の財政自主権だとかきれい事を並べた改革の結果がこれだ。自治体は高い住民税、高い保険料を国民に押しつけるしかない。去年は健康保険の本人負担が3割になった。今年は保険料が倍増した。低所得層をねらい打ちにした大増税である。これでインフレが進んだりしたら、年金生活者は早く死ぬしかない。
東京23区は来年度(平成23年度)から、国民健康保険の計算方式を住民税方式から旧ただし書き方式(所得に比例する方式)に変更することになりました。これで保険料負担が下がるものと上がるもの出てくると思います。国保新聞の記事にリンクしておきます。
http://www.kokuho.or.jp/kokuhoshinbun/2010/201002010010.htm
投稿情報: バッドウイルス | 2011年1 月 4日 (火曜日) 11:21
僕は住民税の累進課税が無くなったので他の健康保険(社保)との保険料対応に優れている旧但し書き(所得比例)方式への変更に賛成です。自営業は国保か社保か自由に選べると聞いています。そうするとこれで不利益を避けられないのはサラリーマンということになります。社保というか厚生、健康保険には個人事業のいわゆる14業種以外や従業員5人未満は加入しなくてもよい(任意適用事業)ことになっています。社会保険の無い任意適用事業では従業員は普通、国保に加入することになります。サラリーマンが市町村国保か社保に強制加入させられ引越す度に比較したらどっちが得かということで損得を味わうことになります。もっとも旧ただし書き方式に統一しても地域格差は最大3倍くらいになり、やはり引越しての損得はなくなりませんが。
投稿情報: バッドウイルス | 2007年11 月23日 (金曜日) 12:00
はじめまして
東京23区の場合、国保料は住民税方式で計算しています。
この方式は、もともとは累進制になっている住民税に連動させることで、保険料も累進となり、低所得者の負担を軽くする仕組みなのです。
ところが、住民税がフラットにされてしまったために、低所得者ほど負担増になったのです。
昨年は23区の国保料率は182%でした。今年は低所得者の住民税は2倍になったのですから、国保料率が半分の91%くらいに下がる必要があったのですが、実際には124%にしか下がっていません。
だから負担増になるのです。
まさに便乗値上げです。
今年は、激変緩和措置があります。
「課税所得額から5万円を控除」するのではなく、保険料の賦課基準額である「住民税額から最大5万円を控除」するというのが正確です。
これによって、今年は保険料の増加がかなり抑制される(所得によっては、昨年より減る人もいる)のですが、激変緩和措置がなくなった来年は大幅負担増が予想されます。
公明党などが、「住民税方式をやめて他の市町村のように、所得に保険料率をかける方式にせよ」と要求しているようです。
区役所が言っているのは、このことでしょう。
しかし、このように方式を変更すると、独身者は負担が減るかもしれませんが、家族の多い世帯は大幅負担増になると思います。
公明党が「重視する」といっている「少子化対策」には逆行すると思います。
投稿情報: ゆうくんパパ | 2007年7 月 7日 (土曜日) 13:53
住民税には大義名分があるという事ですが、国民健康保険がその不明朗な値上げに便乗するというのは大義名分がありません。これを火事場泥棒というのでしょう。
本来は国民健康保険の財務は、収入と支出との均衡を考えて決めるもので、それには保険の意義とか限界をも考慮すべきでしょう。不足しているから「取れるものから取る」というのでは、経済原理を無視した無謀な議論です。これを政党も官庁もチェックする人が居なかったというのは驚きです。
投稿情報: 旅がらす | 2007年6 月24日 (日曜日) 09:42