モバイルWiMAXをめぐるICPFの緊急シンポジウムが4日開かれたが、2.5ギガ帯の周波数免許を申請した4グループのうち出席したのはソフトバンクモバイルの松本徹三副社長一人だった。残る3社は審査中であることを理由に出てこなかった。松本氏はソフトバンクグループのビジネスモデルは、インフラをだれもが平等に使えるゼロ種を目指すもので、だれも敗者にならないし、だれもがその上で平等な条件で競争できるオープンなものである点を強調した。パネラーの人は予定通り出席し、電波政策について議論を闘わせた。
シンポの衆知期間が1週間もなかったにも関わらず、会場には約100人がつめかけ、この問題への関心の高さを示した。
松本氏の主張はおよそ次の通り。
ソフトバンクグループのインフラ会社となるオープンワイヤレスネットワークという会社は、だれが出資してもいいし、MVNOに開放され、だれでも2.5G帯に参入できる方式である。
2.5G帯をWiMAXに割り当てればガードバンドが不要になり、30メガを2社に割り当て可能。そのためウィルコムはIPモバイルが撤退した2G帯を利用すべきだ。
松本氏の主張の通り割り当てても1社は選考から漏れるが、オープンワイヤレスに資本参加することもできれば、MVNOとしてサービスにも新規参入が可能になる。つまり2.5G帯をインフラとサービスレイヤに分離、どのレイヤでも参入を認めるというのである。
モバイルインフラをMVNOに開放、競争を促進することが総務省の基本方針。「その方針に最も忠実な当社のビジネスモデルが選考から漏れるはずがない」と松本氏は自信満々だった。
パネルでは、周波数割り当ては欧米式のオークションがいいか、美人投票方式の審査がいいか、議論は分かれた。今回は美人投票方式が採用されるが、選考の合理的基準、選考結果のきちんとした説明が必要であることで一致した。
> 2.5G帯をWiMAXに割り当てればガードバンドが不要になり、30メガを2社に割り当て可能。
> そのためウィルコムはIPモバイルが撤退した2G帯を利用すべきだ。
こんなヨタ話を、ジャーナリストが真に受けて転記してるようじゃ日本の電波行政もおしまいですなあ…
WiMAX にてガードバンドを取り払うという話であれば、2つのキャリアが送受信のシンボルタイミングまで完全に一致させないと、技術的に無理な話です。そして、それは100マイクロ秒の単位で合わせなければなりません。
(というか、WiMAXが利用しているOFDM変調とはそういう技術です)
また、移動体用バンド(2社用)には、地域系固定バンド(2575MHz~2595MHzのうち10MHz幅) が間に挟まります。松本氏の言う「ガードバンドの計30MHz」には、地域系とのガードバンド(計10MHz幅)ももちろん含まれます。ガードバンドを取り払うならば、こちらとも完全に同期を取らねばなりません。つまり同期を取る相手は、1社ではなく2社になります。これも含めて現実的に可能な話なのか、少々考えるべきでしたね。
投稿情報: gtk | 2008年1 月 2日 (水曜日) 20:56