区役所から新しい国保の健康保険証が郵送されてきた。私が退職者医療制度の対象になるので退職被保険者証を使えとある。カードには退の字が○で囲んだマークがついている。退職したのはもう5年前である。その後2年間は旧健康保険組合の延長制度で健保組合に加入していたが、それが切れてからは国保に加入している。いまごろなぜ?と思い区役所に聞いてみた。
驚いたことに、私がこの退職者医療制度の対象者であることを知らなかったから、この時期になったというのだ。国保加入手続きは3年前に区役所できちんと済ませているではないか。それでも知らなかったというの?
退職者医療制度というのは、退職者でかつ年金受給者の医療費(自己負担分以外の7割分)を古巣の健保組合から払ってもらう制度である。実は昭和59年度から施行されており、対象になる年金受給者のデータは社会保険庁から送られてくる手はずになっているそうだ。それが送られてこなかったから、遅れたと担当者は説明した。
財政が苦しい国保を助けるため、健保組合や共済組合から支援してもらう問題が去年あたりから議論されていたが、その問題が決着したからかな、と最初は考えていた。ところが実際は社保庁の怠慢だった。
消えた年金問題で社保庁が大変な時期にあることは想像できる。しかし、対象者の通知遅れは自治体の運営する国保の財政に直接影響する。
こちらの支払額に変更はないからいいのだが、自治体にとっては重大問題のはずだ。とりはぐれた医療費をさかのぼって請求できればいいが、古巣の健保組合に悪いからそこまでは追及しなかった。
国保を助ける余裕のない企業の健保が解散、組合員を国保に移すところも出てきた。そもそもサラリーマン、公務員、中小企業や一般国民と分けて健康保険を運用すること自体に制度設計の間違いがあると思っているが、この問題に社保庁が絡んでいるとは知らなかった。
○退になった私は、この秋から今度は老人医療制度の対象になる。また別の保険証カードが送られてくるらしい。
公か民かで分け、規模で分け、勤務形態で分け、年齢で分けて保険を運営するから間違いが起き、財政負担の不均衡が起きる。こんな制度を作り上げたやつはだれなんだ、と叫びたくなる。
コメント
コメントフィードを購読すればディスカッションを追いかけることができます。