衆院予算委員会の質疑を見ていたら、学生の就活問題を取り上げていた。
内定取り消しだけでなく、入社延期や入社直後から自宅待機が相当数に上っているそうだ。労働法規に抵触しているのではないか、という質問に舛添厚生労働相はなんともあいまいな答弁をしていた。
大学3年の後期から始まる就活の実態についても質疑があった。講義を欠席して就活しなければならないのは本末転倒。昔のようにせめて4年の秋以降に解禁にすべきではないか、と公明党議員が追及していた。文部科学大臣の答弁もあいまいで、「そのように経済界に働きかけたい」と語るだけで質疑は終了した。与党同士の馴れ合い質疑で、本気で早すぎる就活問題を解決しようという意気込みは感じられなかった。
私の講義でも就活で欠席する学生が絶えない。その際、私はこういっている。勉強なんていつでもどこでもできる。就活は人生の大問題だから、遠慮なく欠席せよ。
教室での講義より、出した課題にどういうリポートを書いてくるか、そのリポートに他の学生がどう考えるか、を重視しているからだ。自分で調べ、自分で書く訓練の方がよほど学生のためになる。
だからといって、企業側の都合で学生が振り回されるのは許されない。講義に出ないと勉強の実があがらないものもあるから、早すぎる就活は学生のためにならない。
教育は大事だといいながら、政府も産業界もこの問題に真剣に取り組む姿勢が見えない。研究費が欲しい大学は産業界にモノがいえない。就職協定の復活を望む声もあるが、いっそのこと、在学中の学生に就職活動をさせる企業には厳罰を科すくらいの立法があっていい。
就活は卒業後に解禁することにし、企業が採用を決めたらすぐ就職させる。卒業から採用までの期間については遡って給与を支払うことを義務付ける。学生は腰を落ち着けて勉強できるし、内定取り消しなんて問題はなくなる。就職氷河期の今こそ、就活問題を解決する好機のはずだ。
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