どこの国だろうと、その国でビジネスを展開するならその国の法律に従うのは当然である。中国の法律がどうのこうのという問題とは関係がない。グーグルが中国進出を決めた時、グーグルは中国政府の好ましからざるサイトを検索結果から外すことを承諾して進出した。このニュースを読んだ時、がっかりした記憶がある。今となってはこの決断が間違いだったのだが、振り返ればグーグルは表現の自由、言論の自由より自社のビジネスチャンスを優先させた。いまさら表現の自由がないから撤退するなどというのはつじつまが合わない。
グーグル撤退の真の理由は、個人的な想像に過ぎないが、グーグルへのサイバー攻撃の被害がグーグルの予想以上に激しかったからではないか。中国市場から得られる利益より、存在し続ける被害の方が大きかったのではないか。グーグルには世界の情報が集まっている。そこが攻撃され麻痺したらグーグルの信頼は地に落ちる。経済的影響も予想がつかない。中国政府はサイバー攻撃には関知しないというが、無関係であることの証明はないし、犯人を摘発した形跡もない。ネット企業はサイバー攻撃に弱い。防御方法もそれなりに進歩しているが、いたちごっこである。どこに犯人がいるのかも特定しにくい。
かつて日本の新聞は新聞用紙の配給を受けるために筆を折らざるを得なかった歴史がある。言論表現の自由はそれほどもろい。だからこそ言論表現の自由は尊重されねばならないのだが、それが分からない国からは撤退するしかない。
最近のコメント