アルゴ21(現キャノンITソリューションズ)の創業者である佐藤雄二朗さんが4日亡くなった。77歳だった。1年ほど前にあるパーティーで会った時は元気そうだった。私と同じ大腸がん手術から復帰したところで、お互いの無事を喜び合った。
知り合ったのは彼が情報サービス産業協会(JISA)の会長をしている時だった。われわれジャーナリストを挑発するのがうまかった。わが国のソフトウエア産業の後進性をしばしば嘆いた。日本の下請け孫受け構造の取引形態、ソフト労働の過酷な環境への批判でもあった。それらを批判しないジャーナリズムへの不満をよく口にした。このままでは日本のソフト産業は中国インドにやられるという強い危機感を持っていた。
日本のソフト産業は見かけの売上ばかりが多く、その実態はほとんどが下請け孫受けの中小企業。人月単価の契約が過重な労働を強いている。いってみれば究極の派遣労働だ。どうすれば業界の体質改善ができるのか、よく議論になった。「半導体は産業のコメというが、これからはソフトが産業のコメだ」というのが持論だった。「コメだって自由化が叫ばれる時代。ソフトがコメだというなら、なぜソフトの自給自立が必要なのか、国民に説明しなければ、政府も動かないですよ」と私。しかし業界の体質改善を見届けられず逝ってしまった。
暮れの高原友生さんの逝去に次ぐ元JISA会長佐藤さんの死。日本のソフト産業は人材を相次いで失った。
知り合ったのは彼が情報サービス産業協会(JISA)の会長をしている時だった。われわれジャーナリストを挑発するのがうまかった。わが国のソフトウエア産業の後進性をしばしば嘆いた。日本の下請け孫受け構造の取引形態、ソフト労働の過酷な環境への批判でもあった。それらを批判しないジャーナリズムへの不満をよく口にした。このままでは日本のソフト産業は中国インドにやられるという強い危機感を持っていた。
日本のソフト産業は見かけの売上ばかりが多く、その実態はほとんどが下請け孫受けの中小企業。人月単価の契約が過重な労働を強いている。いってみれば究極の派遣労働だ。どうすれば業界の体質改善ができるのか、よく議論になった。「半導体は産業のコメというが、これからはソフトが産業のコメだ」というのが持論だった。「コメだって自由化が叫ばれる時代。ソフトがコメだというなら、なぜソフトの自給自立が必要なのか、国民に説明しなければ、政府も動かないですよ」と私。しかし業界の体質改善を見届けられず逝ってしまった。
暮れの高原友生さんの逝去に次ぐ元JISA会長佐藤さんの死。日本のソフト産業は人材を相次いで失った。
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