福島原発事故で周辺の土壌や海洋の放射能汚染が明らかになった。当然予想された結果である。周辺地域の農作物、牛乳などの出荷停止措置がとられた。海産物についても同様の措置がとられるだろう。政府はこうした被害についての補償を表明したが、今回の原子力災害の被害額がいったいいくらになるのか、補償額はいくらになるのか。まだ何も説明がない。いまは被害額を算定するどころではではないのは分かっているが、原子力災害賠償保険の保険金額1200億円では間に合わないのは確実だ。
原子力災害保険について詳しく知らないが、検索してみたら、電力会社には損害賠償に無限責任を負うが、原子力損害賠償法によると、保険の支払い限度額は1200億円。それ以上の補償は政府と電力会社の契約で決まっているらしい。
原子力損害賠償法第三条①にこうある。原発反対派のひとつの反対理由にもなっている。
「原子炉の運転等により原子力損害を与えたときは、当該原子炉の運転等に係る原子力事業者がその損害を賠償する責めに任ずる。ただし、その損害が異常に巨大な天災地変又は社会的動乱によって生じたものであるときは、この限りでない」。
この法律は電力会社などの事業者には無限責任を課しているが、巨大な天変地異による損害は免責されるのではないか、というのである。今回東電が免責がされるとは思わないが、東電といえども支払い限度はあるだろう。となると国民負担になる。
今回の地震津波災害の被害額が史上最高額にのぼるのも確実である。10兆円か20兆円かは知らないが、10兆円規模だろう。それに原子力災害の被害は含まれないとすれば、総額は数十兆円になる。
土壌汚染は簡単に除染できない。何年間立ち入り禁止になるか、汚染地域で農業が再開できるのは何年後か。見通しはつかないが、一時的な損害補償で済む問題ではない。これをどう負担するのか。賠償保険などは焼け石に水である。
福島県のGDPは約8兆円。半分が生産停止に追い込まれても毎年4兆円の損害である。悲観的すぎるかもしれないが、覚悟だけはいる。
災害復興に高速道路無料化の予算、子ども手当て予算を回せという声が自民党などからあがっているが、それで間に合うと思っているとしたら大ばか者である。
震災復興国債を発行し、全国民から復興資金を集める必要がある。
Robbyさんの論理は変だ。本質的に危ないものを危ないと言って反対しているのに、処置をすれば危なくなると言ったら、危ないものを危なくないと言うことになるでしょう。
逆に、賛成派は、『反対派の言う事も一理あるし、想定外の津波が来る事もあるから、少し建てる場所を移動して、隣りの少し高い丘の場所に建てるべきだと、賛成派の我々が国や電力会社に主張するべきだった。今回の事故の責任は、防災対策を強く要求すべきだった、賛成派の我々にも大きくあり、深く反省すべきだ。』と言うべきでしょう。
それに、世の中の現実として原発建設が止められないと、勝手に決めつけないで下さい。日本の霞が関と産業界と政府がそう主張しているだけで、ヨーロッパでは産業界も政府も、脱原発が大きな流れです。
発電コストが安いが、原発の大きな推進理由でした。一度、大事故が起きたら、巨額の賠償費用がコストに加わると、今回、やっと認識できましたか?東京電力の内部留保金では払えないでしょうから、私たちの税金で尻拭いでしょう。
それに、何も罪のない大勢の人達が故郷から追い出されます。何も罪の無い農家の人達が農業ができなくなります。何も罪の無い人達の飲み水が無くなります。
狭い国土、狭い平野、どこまで無くせば、立ち止まって考えるようになるのでしょうか?
投稿情報: kuro | 2011年3 月24日 (木曜日) 02:05
原発反対派の人たちは、まず不可能だということをわかった上で原発建設に反対するだけで、もっと安全な処置を施した原発を作れとはおっしゃいません。
世の中の現実として原発建設が止められない以上、もっと現実的な呼びかけをしてもよかったのではありませんか?
今起きている、これが結果です。
投稿情報: Robby | 2011年3 月23日 (水曜日) 11:11
エネルギーを利用して数々の恩恵を享受する為には、
それ相応の負の恩恵をも享受しなければならないことを、
人類はお忘れになっているのでしょうか?
原発補償は、農海産物のみに留まりません。
地元周辺の地価下落に伴う資産価値の下落についても論じられて宜しいのでは?
投稿情報: nise | 2011年3 月23日 (水曜日) 09:33
昔、大昔、人類や動物は火を神のごとく恐れ敬っていた。しかし、人類は恐怖を乗り越えて火を自由に扱うようになった。その火は人類に様々な物を与えてくれた。そして現在、人類は原子の新しい火に挑んでいる。自由に制御し使うためだ。今はその過程にある。原子力は必ず使いこなせる日が来る。今、それを放棄しては進歩が止まってしまう。今回の災害を糧としてより安全な原子炉が設計される。
投稿情報: ZZR | 2011年3 月23日 (水曜日) 00:31
人間ミスはする。事故は必ず起こる。想定外の災害は必ずやってくる。これが前提だ。だからミス、事故、災害が起こったときに取り返しのつかないことになってはいけない。とすれば原発なんて使えない。
投稿情報: dobokensho | 2011年3 月23日 (水曜日) 00:23
直接、本きサイトは関係有りませんが、アゴラの記事については、怒りがおさまりません。
今さら何をいう。
日本人は(人類は)原発と向き合う新たなフェーズに入った。しかしそれは原発否定ではない。共存である。真に原発と共存できる社会を提言せよ。
(長崎の被爆者2世より)
投稿情報: ウリボー | 2011年3 月22日 (火曜日) 20:39