外資に買収されたPHS電話会社のDDIポケットが2月2日から社名をWILLCOMに変更する。同時にairH”というブランドもair edgeに変更する。簡易型携帯電話というイメージを払拭し、携帯より先端を走る企業であることをあらためて印象付けたい意図がある。
PHSは電話の音質や料金の安さはいいけど、つながらないから、やめたという若者が多く、一時よりユーザーを減らしたPHSだが、これで挽回できるかどうか、正念場でもある。
何を隠そう私はPHSがサービス開始した時からのユーザーで、当時はNTTパーソナルという会社だった。airH”が出てからはポケットユーザーである。携帯を持ったことは一度もない。音質がいい、価格が安い、データ通信速度が速い、などの理由からだが、それより何よりゴルフ場に電話がかかってこない、のがいい。
若者がiモードに走る中、PHSを持っているとダサイといわれる時代もあったが、私の周辺では、インターネット、通信などいわゆるITをよく理解している人ほど、PHS派が多い。どれくらいの比率かは分からないが、外出先でインターネット接続をする人はPHS派が多い。いまでこそ第3世代携帯はデータ通信で384キロビットが出るようになったが(実効速度はもっと遅いらしい)当時は9キロとかその半分くらいしか出なかったから、インターネットヘビーユーザーにPHS派が多いのは当然といえば当然である。
iモードだってインターネット接続じゃないか、という人もいるだろうが、iモード専用サイトにアクセスしているだけで、インターネットの大海に接続しているわけではない。井の中の蛙、大海を知らず、みたいなもんだ。
こうした事情があるにもかかわらず、PHSは若者からピッチなどとさげすまれ、侮られてきた。宣伝に力を入れなかった努力不足もあるが、メディアがあまりにも携帯各社の宣伝に振り回されて、実情を知らせなかったことも背景にある。最近ようやく携帯の利用料金のばか高さが話題になり、データ通信の定額制を導入する動きも出てきた。PHS派にいわせれば、何もいまさら、という感じである。
PHSも今後通信速度をさらに上げる努力をする。将来的には1.5メガビットまで増速する予定があるという。NTTのISDN網依存から脱却する来年以降は音声通話でも定額制が導入されるはずだ。もちろんはじめはPHS同士の通話に限られるが。
中国ではPHSが数千万台も普及していることを知る人は少ない。近いうちに1億台を突破するだろう。基地局設置が簡単で、すぐにネットワークが張れることが普及の要因だろう。このままだと、日本のPHSは数年後に中国に買収されるかもしれない。
日本でもPHSの通信料金の安さ、データ通信の使い勝手のよさでは、まだ当分携帯は追いつけない。日本の消費者は世界一見る目が厳しいとよくいわれる。だが、携帯に限っては見る目がない。若者たちはいつまでばか高い携帯に搾取され続けるのだろうか。
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