ライブドアとフジテレビの騒動が落着したと思ったら今度はTBSと楽天の経営統合が浮上した。フジの時と同様、ネット側の働きかけをTBSは快く思っていないようだ。
テレビ朝日とソフトバンクに始まって、ネット企業とテレビ局の買収騒動はこれで3度目。過去2回は不成功に終わった。2度あることは3度ある。
テレビが持っている資産、つまり番組制作能力や過去に放送した番組などをネットで利用したら、双方に利益があるという発想だが、ネット側の期待はいつも裏切られている。
私も現役時代、新聞社が持つ資産のうち、ネットで利用できるものがどれくらいあるか、調べたことがある。朝日新聞なら、高校野球、囲碁名人戦・・・。だが、どれも現場から無理だという反応が返ってきたことを覚えている。
権利関係が複雑ですぐにはネットで利用できる状態にはないことがはっきりした。テレビ局の過去の番組をネットで流すには権利処理がむずかしく、簡単ではないことは以前にも書いたが、テレビ番組に限らず、新聞社のイベントも歌謡曲などの音楽も同じように権利処理が最大の難関になっている。制作時、契約時になあなあの契約しかしていなかったつけが回ってきているからである。
ネット企業はまだこうした実態が分かっていないようだ。期待しても期待は裏切られるだけだ。ネット側が自らコンテンツを制作するしかない。かつて映画に頼らず自ら番組を制作して映画を負かしたテレビのように。他人のふんどしで今後の成長をはかろうとするネット企業に未来はあるのだろうか。
あのさ。自分が時代遅れの左翼新聞記者だったことを認めて、早いとこ消えてくれ。
投稿情報: 神楽坂 | 2005年10 月28日 (金曜日) 16:52
ネット企業で働く側から言わせてもらいます。「他人のふんどし」という表現は新聞社にそっくりお返しいたします。政治家や企業、警察のネタを掲載するわけですから。高校野球だって教育関係ネタを営業策として拡販に用いているわけですがコンテンツとしてはもう古いものと考えています。囲碁名人戦などネットにしてみればとるに足らぬユーザ数です。かつて映画産業や新聞から馬鹿にされ、さげすまれたTV同様に、ネット企業は夢の対象として新しいコンテンツは無限に生み出すでしょう。現在のコンテンツや方式に拘泥しているとMP3への取り組みで失敗した音楽産業の轍を踏みます。
投稿情報: ねっとまにあ | 2005年10 月19日 (水曜日) 11:55
権利関係が複雑でネットで流すのは難しいというのは、ライブドアの時にさんざん指摘されたことですから、三木谷氏ほどの目端の利く経営者がいまだにそれを知らないわけはないと思います。現に氏はそのような提案はしていません。ネットとメディアの融合(私はこの言葉は嫌いですが)は他にもいろいろとありえますよね。
当事者が言ってないことを勝手に想像して批判するのは意味のないことのように思います。
投稿情報: よろずもめごと論 | 2005年10 月17日 (月曜日) 23:27