通信と放送の融合に関する総務省研究会の最終報告が昨年12月6日に出ました。ばらばらに制定されてきた情報通信関連法制を新時代にふさわしい法体系にしようというのが報告書の結論です。
学生の冬休みに報告書を読んで要約を書く宿題を出しました。多くの学生は縦割りから横割りの規制体系への変更は時代の必然であるという報告書の主旨を何の疑問もなく書いていました。報告書を批判せよといったわけではないので、宿題としてはそれでいいのですが、今までの法体系でどういう不都合があったのか、縦割り規制でどんな不便があるのか。また、コンテンツを影響力の大きさで分類することが、言論表現の自由とどう関連するのか、などについて触れている学生はほとんどいませんでした。報告書にはそれらの不都合について具体的には書かれてはいませんから、仕方ないのですが、報告書に書かれていないことが実は重要なのだと思います。
政府は2010年の国会に法案を提出する予定ですが、IT業界とメディア業界のみならず、国民に大きな影響を与えそうな法案がどうなるのか、注目する必要があります。半世紀ぶりの大規模な法制度の変更に、官僚たちはいつになくやる気を起こしています。報告書の狙い通り法案ができたら大変です。
第24回ICPFセミナー
「通信・放送の総合的な法体系に対する通信事業者の考え方」を開催
総務省では「通信・放送の総合的な法体系に関する研究会」を組織し、通信法制と放送法制の統合について研究を深めてきました。この新しい法体系によって通信と放送の融合が促進されるかどうかについては、世の中には賛否両方の意見が存在します。
情報通信政策フォーラム(ICPF)では月次セミナーでこの新しい法体系について議論を深めていくことにし、07年10月には「研究会」事務局を担当された総務省の鈴木茂樹課長を、11月にはTBSメディア総合研究所の前川英樹社長をお招きし、それぞれのお考えを伺いました。
今回は連続セミナーの第3回目として、ソフトバンクBBの筒井多圭志取締役にお話をしていただくことになりました。
<スピーカー>
筒井多圭志氏(ソフトバンクBB取締役CTO)
<モデレーター>
山田肇(ICPF事務局長・東洋大学教授)
<日時>
1月31日(木)18:30~20:30
<場所>
東洋大学・白山校舎・5号館5201教室
東京都文京区白山5-28-20
キャンパスマップ http://www.toyo.ac.jp/campus/hakusan.html
<入場料>
2000円 ※ICPF会員は無料(会場で入会できます)
★申し込みは[email protected]まで、氏名・所属を明記してe-mailをお送り下さい。
【情報通信政策フォーラム・ICPF事務局】
〒101-0047 東京都千代田区内神田2-14-3
phone 03-5209-6858
Fax 03-5209-5631
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