大学でマスコミ論を講義中に、いまはやりのツイッターについて口を滑らせてしまった。「ツイッターしているヒマがあったら仕事しろ」。これが学生から発信され、学外のツイッター仲間の間で炎上したらしい。授業後ある学生がログを見せてくれたが、読む気は起きなかった。
ツイッターがどう役に立つのか、どういうメディアに育っていくのか、私にはよく分からない。自分でも加入しているが、積極的に使う気になれない。自分のブログサイトの宣伝になることくらいは分かっている。政治家が政見や、自らの政治的行動について書き込むのも分かる。新聞社が自分のサイトに誘導するため、見出しだけをツイッターに流す事情もよく分かる。
わが大学でも授業に使っている教員がいる。学生がつぶやくのを教員が見て、授業の進行に利用するようだ。ツイッターが教室での質問に使えることは分かるが、目の前にいる教員になぜツイッターで質問しなければならないのか。私の授業は質問があればいつでも手をあげていいことになっている。それでもめったに質問の手はあがらないから、ツイッターで受け付ければ質問が増えるかな、とは思うが、それでは本末転倒である。
授業中、学生がつぶやくとすれば「この講義つまらねえ」とか「授業終わったらマージャン行こうぜ」なんてたわいもない内容のはずだ。私の学生時代はそんなものだった。ホントに授業内容が理解できなければ、その場で質問するのが手っ取り早い。それをあえてツイッター経由にする理由が分からない。だから冒頭の感想をしゃべったのだが、講義を受ける学生にしてみれば、つまらない講義を聞くよりツイッターでつぶやいている方がマシなのだろう。
私は授業の出席はとらない。養老孟司さんではないが、天気のいい日に講義を聞くほどもったいないことはない、と思っている。出席したくなければ自由に出て行っていいぞ、ともいっている。それでもツイッターで暇つぶしする理由が分からない。
私だって授業中ツイッターでつぶやいてみたい。「こいつらホントに講義の内容が分かっているのか」。でもそんなヒマはない。
メディアを学んでいる学生のコメントとしては残念な内容である。原稿のいわんとするところを曲解しているとしかいいようがない。他学生に迷惑がかからない限り、学生が授業中にツイッターでつぶやくのは勝手である。メールでも同じである。しかし、目の前にいる人にメールを出したり、ツイッターで質問することにどれだけの意味があるのか、というのがこの原稿の核心である。
受講中の学生がハッシュタグをつけて講義内容を実況中継みたいな格好で発信していることは知っている。ログも読んでいる。しかし、講義の内容を理解してtweetしている投稿はほとんどない。ツイッターが学生の自由で簡便なメディアとして成長するには、発信する側の質が問題なのである。
投稿情報: junhara | 2009年11 月 9日 (月曜日) 18:07
アゴラの記事から辿って、初めてブログを拝見しました。
現在大学4年生で、積極的にTwitterを利用している身からコメントします。
> 授業中、学生がつぶやくとすれば「この講義つまらねえ」とか「授業終わったらマージャン行こうぜ」なんてたわいもない内容のはずだ。
凄まじい決め付けで、正直呆れました。
実際、その学生がどんな発言をしているかはわかりませんが、もしかしたらあなたの授業が面白く、より多くの人にその講義内容を知ってもらおうと実況中継しているのかもしれません。
実際、Twitterではそういった実況が多くのユーザーによって行われています。詳しくは津田大介さんの「Twitter社会論」でも読んでください。
これって、「授業中にメールって何に使ってんの?必要なの?」っていう前からある問題と同じで、実際どう使ってるのかわからないモノを頭ごなしに批判してるだけですよね?
本当に学生にマスコミのなんたるか、メディアのなんたるかを教えるんだったら、それに目くじらを立てるんじゃなくて、どう活用しているのか確認し、どう使えばお互いにとってプラスになるのかメディアの観点から読み解けばいいんじゃないんですかね?
少なくとも私は、そんな十何な思考のできない講師に、柔軟に考えるべきメディアに関して語ってほしくないし、そんな授業が面白いとは思わないでしょう。
ちなみに私は、明治大学情報コミュニケーション学部でメディア系の授業を中心に受講しています。
投稿情報: Kairi | 2009年11 月 9日 (月曜日) 16:09
手をあげるには一定の閾値を超えないとできないし、周りもみんなよくわからなかったということはよくある話。
ツイッターで声にする閾値をさげて、一定以上同じような声があれば、拾い上げて説明すれば理解は深まるかもしれません。
日本人は遠慮深い民族のようなので
投稿情報: tokisaba | 2009年10 月30日 (金曜日) 11:38