朝日新聞の情報によると、福島原発事故対策で、米国は格納容器もろとも水没させることを提案しているらしい。いつまでも炉心を水で冷却していても、その水が漏れていては外界への放射性物質の放出が止まらないから、全部水に沈めてしまえということらしい。
いかにも米国西部劇風の解決案である。それを実行するには、圧力容器に大きな穴を開け(すでに開いているかもしれないが)、格納容器と圧力容器を一体的に冷却することになる。つまり核燃料を納めている圧力容器の機能を放棄することである。これでホントに終息するのならいいが、終息しなかったら、放射性物質を閉じ込める機能は格納容器だけになる。失敗した時のリスクは大きい。
これに対し、日本側は炉心の水を格納容器の外にまでパイプで引き、外に冷却装置を設置して、炉心の安定を保つ案を考えているようだ。いかにも日本的なアイデアである。きめ細かなというか、騙し騙し炉心を安定化させる方法である。
米国は一気に放射性物質の放出を止めることにこだわり、日本は徐々に放出をおさめる手法である。
どちらが環境への放出を少なくできるか、私には分からない。暴れる野獣の被害を食い止めるには、銃殺するか、騙しながらエサでおびき寄せ網で捕獲するか。そんな解決法の違いである。
たぶん日本は騙しながら捕獲する方を選択するに違いない。だが、騙しながら時間をかけて捕獲する間にどんどん放射性物質が放出される解決方法に米国側がいらだっているように見える。
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