ドイツが再び脱原発に踏み切った。2022年までに原発を全廃する。ドイツは社民党政権時代に一度脱原発を決めた。現在のメルケル政権は連立保守党政権だが、保守のドイツにできて革新政権?の日本にできないのはなぜか。同じ工業国、エネルギーの重要性は変わらないはずだ。
ドイツの原発依存率は23%。日本の30%とたいして変わらない。逆に自然エネルギーの比率は日本よりはるかに高い。それでも太陽光、風力で原発を全廃した時の不足分を補えるのかどうか危うい。発電コストの上昇はどうやって吸収するのか。
電力コストが上昇すれば国際競争力が失われる事情は日本と同じだ。それでも脱原発に踏み切れたのはなぜか。ドイツ産業界も脱原発には反対していた。それでも了承したのはなぜか。国際競争力より大事なものがドイツ企業にはあるのか。
ドイツは電力が輸入できる。原発大国のフランスから輸入できる。チェコからも輸入している。不足する電力は輸入すればいい、と考えているのだろうか。
日本は島国だから電力を輸入できる状態にない。昔、赤い電力という話があった。当時のソ連から電力を輸入する構想だった。サハリンと北海道の間に送電用海底ケーブルを敷設することは不可能ではない。サハリンには豊富な石油天然ガスがある。いまロシアから電力を輸入できない事情はない。
それは日本の独立を危うくするという意見が出てくるだろう。ならなぜドイツは電力を輸入して独立が脅かされると考えないのか。
ドイツには環境重視のみどりの党がある。日本の政党で脱原発を主張しているのは社民党だけである。日本にも環境派はたくさんいる。なぜ日本にみどりの党が出てこないのか。福島事故でみどりの党が地方選で躍進した。日本の社民党は世田谷区長選で勝っただけで、その後はさっぱりだ。
ドイツに脱原発ができて日本にできないはずはない。日独にそれほどの違いはない。
違うとすれば、日本とドイツの政治の質ではないか。震災復興も原発事故終息もままならない時期。政治は全力で智恵を絞らなければならないのに日本は党利党略の動きばかり。政治を見る限り日本とドイツの差は歴然としている。
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