経済産業省が審議会の代わりにBLOGを活用している。
http://www.rieti.go.jp/it/elife/
審議会だと大学の先生や企業のトップが委員を務めるので、必ずしも社会全体の意見が反映されない恐れがある、という理由からだ。特にIT関連は世代による意見の格差が大きく、審議会方式がなじまないと考えたらしい。
これまでも審議会は官僚が政策立案する場合の隠れ蓑だとか、お墨付きをもらうための機関だとか、批判されてきたが、BLOGならだれでも中が見えて、意見がいえるから、審議会を代用できる可能性はある。だが、官僚の作文は長いし、全部読むのは辛い。要点を絞り、もっと簡潔にしないと、多くの国民の参加は難しいのではないか。事実、コメントはまだ少なく、関係者だけのお慰みになっている嫌いがある。
BLOGに表現形式はどういう形がいいのか、まだ試行錯誤の段階だからとは思うが、やはり文章は簡潔であってほしい。
かつて子どもの名前につけた漢字が人名漢字にない、という理由で役所に出生届けを拒否されたことがある。その時法務省に民事行政審議会で、親の命名権を行政が制約できるのか、一市民として意見を言わせろ、と迫ったことがある。官僚は審議会は非公開であると拒否。なら委員に手紙で意見を書くから委員の名簿をくれ、と要求したが、それも断られた。その時、BLOG審議会があれば、私の意見は容易に審議会の審議に反映されていたはずである。
それから審議会の形式もずいぶん改善され、パブリックコメント方式などが採用されたが、最近ではそれも形骸化してきている。BLOGの活用は審議会方式の壁を打破する有力な道具になると期待されるが、どう使いこなすかで効果は大きく左右されるだろう。
BLOG採用に踏み切った経産省の決断は高く評価するが、まず官僚は簡潔で分かりやすい文章力を身に着けること、つまり国民とのコミュニケーション能力をつけることが先決だと思う。
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